アルバイトも、パートも、派遣スタッフも、正社員も!必ずチェック!最低賃金制度

皆さんは、「最低賃金制度」というものをご存じでしょうか? 私たちの給料は、国が定めた最低賃金が地域や産業別に決まっていて、
その上で支払われる仕組みになっています。ここでは、その制度とチェック方法をわかりやすく紹介します。

最低賃金制度とは

雇い主が従業員に支払わなければならない、賃金額の最低限値を定めた制度です
最低賃金は、雇用形態に関係なくすべての従業員に適用されます

  • 双方合意で最低賃金以下で契約を結んでいても法律上無効となり、最低賃金額と同額の定めになります
  • 万が一支払われていない場合は、従業員はその差額を請求する権利があります
最低賃金は毎年審議されていて、その都度見直される可能性があります。必ず毎年チェックしてください。

賃金の対象となる範囲 基本給と諸手当が対象。ただし、残業手当など臨時的なものは対象外になります

最低賃金の対象となるのは毎月支払われる基本的な賃金です。
最低賃金を計算する場合には、実際に支払われる賃金から臨時的な手当などを除外したものが対象となります。

【最低賃金の対象とならない賃金】
(1)臨時に支払われる賃金(結婚手当など)
(2)1箇月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)
(3)所定労働時間を超える時間の労働に対して支払われる賃金(時間外割増賃金など)
(4)所定労働日以外の労働に対して支払われる賃金(休日割増賃金など)
(5)午後10時から午前5時までの間の労働に対して支払われる賃金のうち、通常の労働時間の賃金の計算額を超える部分(深夜割増賃金など)
(6)精皆勤手当、通勤手当および家族手当

賃金の換算・比較方法 すべて時間額での比較。日給や月給は時間給に換算しましょう

最低賃金は時間額で決められています。日給や週給、月給制などの場合は、対象賃金額を時間額に換算し、適用される最低賃金額と比較します。 支払われている賃金が最低賃金額以上となっているかを調べるには、最低賃金の対象となる賃金額と適用される最低賃金額を以下の方法で比較します。

時間給の場合 ・・・ 時間給≧最低賃金額(時間額)
時間給と最低賃金額を比較します。
(例)東京都で時給900円で働いている場合は最低賃金を下回っていることになります。
時給900円東京都の最低賃金額1,072円
※2022年10月時点の東京都の最低賃金1,072円で算出
日給の場合 ・・・ 日給÷1日の所定労働時間≧最低賃金額(時間額)
日給を時給に換算して比較します。
(例)東京都で所定労働時間8時間、日給9,000円で働いている場合は1時間当たりの時給が1,125円となり、最低賃金を上回っていることになります。
日給9,000円÷8時間=1,125円東京都の最低賃金額1,072円
※2022年10月時点の東京都の最低賃金1,072円で算出
月給の場合 ・・・ 月給÷1箇月平均所定労働時間≧最低賃金額(時間額)
月給を時給に換算して比較します。
(例)東京都で所定労働時間7.5時間/日、基本給124,000円、職務手当10,000円、職能手当10,000円、精皆勤手当10,000円の場合は賃金が精皆勤手当を除く144,000円、1箇月の所定労働時間は150時間、1時間当たりの時給が960円となり、最低賃金を下回っていることになります。
月給144,000円(精皆勤手当は対象外)÷1箇月の所定労働時間150時間=960円東京都の最低賃金額1,072円
※2022年10月時点の東京都の最低賃金1,072円で算出

※特定の産業については、上記に該当しない場合があります。
また、出来高払いや請負制など、その他計算方法を詳しく知りたい場合は、厚生労働省の最低賃金特設サイトをご確認いただくか、最寄りの都道府県労働局労働基準部賃金課室、または労働基準監督署におたずねください。

最低賃金額をチェック 『地域別』と『特定(産業別)』の2種類があり、高い方が適用されます

最低賃金には、各都道府県に1つずつ定められた「地域別最低賃金」と、特定の産業に従事する方を対象に定められた「特定(産業別)最低賃金」の2種類があります。
「特定(産業別)最低賃金」は「地域別最低賃金」よりも高い金額水準となっており、地域別と特定(産業別)の両方の最低賃金が同時に適用される場合は、高い方の最低賃金額が適用されます。

地域別
47都道府県ごとに定められています。
すべての方が対象になります。
特定(産業別)最低賃金が、年齢などの条件から該当されない場合はこちらが適用されます。
特定(産業別)
鉄鋼業、電気機械器具製造業など、特定の産業を対象として定められています。
業種が該当しても、年齢や就業期間、業務内容によっては適用されない場合があります

※特定(産業別)の詳細につきましては、厚生労働省の最低賃金特設サイトをご覧いただくか、最寄りの都道府県労働局労働基準部賃金課室、または労働基準監督署におたずねください。

地域別最低賃金額
都道府県 最低賃金時間額 発効年月日
北海道 920円 2022年10月2日
青森県 853円 2022年10月5日
岩手県 854円 2022年10月20日
宮城県 883円 2022年10月1日
秋田県 853円 2022年10月1日
山形県 854円 2022年10月6日
福島県 858円 2022年10月6日
茨城県 911円 2022年10月1日
栃木県 913円 2022年10月1日
群馬県 895円 2022年10月8日
埼玉県 987円 2022年10月1日
千葉県 984円 2022年10月1日
東京都 1,072円 2022年10月1日
神奈川県 1,071円 2022年10月1日
新潟県 890円 2022年10月1日
富山県 908円 2022年10月1日
石川県 891円 2022年10月8日
福井県 888円 2022年10月2日
山梨県 898円 2022年10月20日
長野県 908円 2022年10月1日
岐阜県 910円 2022年10月1日
静岡県 944円 2022年10月5日
愛知県 986円 2022年10月1日
三重県 933円 2022年10月1日
都道府県 最低賃金時間額 発効年月日
滋賀県 927円 2022年10月6日
京都府 968円 2022年10月9日
大阪府 1,023円 2022年10月1日
兵庫県 960円 2022年10月1日
奈良県 896円 2022年10月1日
和歌山県 889円 2022年10月1日
鳥取県 854円 2022年10月6日
島根県 857円 2022年10月5日
岡山県 892円 2022年10月1日
広島県 930円 2022年10月1日
山口県 888円 2022年10月13日
徳島県 855円 2022年10月6日
香川県 878円 2022年10月1日
愛媛県 853円 2022年10月5日
高知県 853円 2022年10月9日
福岡県 900円 2022年10月8日
佐賀県 853円 2022年10月2日
長崎県 853円 2022年10月8日
熊本県 853円 2022年10月1日
大分県 854円 2022年10月5日
宮崎県 853円 2022年10月6日
鹿児島県 853円 2022年10月6日
沖縄県 853円 2022年10月6日